女子大生ごりらの俳句・短歌

大学の授業で俳句・短歌の日常が非日常へと変わる特別な感覚を味わった。授業は終わってしまったけれど、生涯の趣味としてこれからも付き合っていきたい。

今日の俳句 2/27(土)

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「駆込みて足が絡まる春炬燵」

 

畳の上に置かれる大きな長方形の炬燵は、実家に帰ってきたという実感を加速させる。

 

けれど大きな炬燵はすぐに埋まってしまう。

数年前までは絡まなかった足も、ぶつかる少しの痛みと共に成長を感じられた。

 

そこに兄が帰宅する。

きつかった炬燵が更に密度を増す。

 

やはりまだ炬燵は片づけがたい。

 

今日の短歌 2/26(金)

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「曇り空一本道を山にきく溺れる白紙祖母の優しさ」

 

地元の企業の筆記試験。

空が曇ってる様子は晴れない自分の心を表しているようだった。

 

長い一本道を祖母の車の助手席で先の山を眺める。

なぜか山は高々と連なっている姿がはっきりと見ることができた。

富士信仰」という言葉があるように、地元の山もどこか神秘的な存在に見えた。

 

常識問題と枠付けされる試験は、想像以上に難しかった。

白紙同然である。自分の頭の悪さに嫌気がさし、これからの就職活動に不安しかなくなった。

 

送り迎えをしてくれただけでもありがたいのに

いつも気にかけてくれる祖母の暖かさに涙と更なる覚悟を決めた空間だった。

 

今日の俳句 2/25(木)

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「夕陽(せきよう)や余寒とともに下校の音」

 

都会から地方への境界線はどこにあるのか。

 

乗車していた15両編成の電車が10両編成へと変わる切り離しで数分間停車する。

私はここに境界線を見出した。

 

停車中、常に開いている乗車口から夕日の光が差し込む。

少し冷たい風と共に。

 

近くに小学校があるのだろうか。

ゆったりと、そしてはっきりとした声で下校を知らせる放送が聞こえてくる。

機械を通した幼い声に、懐かしさを憶えた。


 

今日の短歌 2/24(水)

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「風強し空を狭める渋谷ビル地に足つけて選考願う」

 

就職活動において、オンラインではない企業説明会のため東京へ。

昨日とは異なる冷たい風が吹いて、久しぶりの渋谷駅はまるで迷路だった。

 

やっとの思いで地上にでたが、普段見る空はどこか狭く感じた。

まるでこれから行く会社での緊張で心のゆとりがないことを表しているようだ。

 

けれど流れるように説明会は始まり、エントリーシートをその場で記入する。

今日働いている社会人の偉大さを感じた。

 

丁寧に、地道に、一歩ずつ。

次にむけてPDCAを回すのみである。

今日の俳句 2/23(火)

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「うららかや摘まむ心と白いちご」

 

天気が非常によく、洗濯物をベランダで干していると、チャイムが鳴った。

母から「いちごを送りました」と数日前に連絡がきていたことを思い出す。

箱を空けると赤いいちごだけでなく、真っ白ないちごも入っていた。

 

桜のような白いちごが、明るくうららかな春の陽気と共にそっと摘まみ、味わった。

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今日の短歌 2/22(月)

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「日帰りの故郷の匂い持ち帰り脇に抱える老舗大福」

 

大学3年の春休み。

Uターンでの就職活動も考えており地元の企業の説明会に参加した。

普段ならそのまま帰省し美味しい食事を楽しみ、家族との団欒を謳歌していたはずだ。

けれどやはりコロナの影響はここでも存在する。

最寄り駅の立ち食い蕎麦屋を電車の窓から見る。

けれどせめてもの懐かしさを求め、インターン終了後、

クリームたっぷりの大福を購入。

いつもは2つ3つの購入だが、

今回ばかりは12個入りの様々な味が楽しめるお楽しみパックを手に取った。

最高の贅沢だ。

 

リクルートスーツを身に纏いながら3時間の電車移動。合計6時間。

帰宅ラッシュで社会人の主たちが、鎧を身に纏いながら乗り込んでくる。

真っ黒な自分の姿がどこか恥ずかしかった。そして2年後の自分の姿を想像する。

 

地元に帰ったという証を脇に抱え、社会人へと参入する試練をこれから迎えるのだ、と

一瞬どこかやはり寂しくも感じながら、早く帰りたいと思った。